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《 年 別 》














《 呉服の需要と消費者動向 》
[Vol.140/2019年03月]

三月になり日々春めいた季節となってきました。

本来なら西陣業界では「秋の新作展」が始まり、一年を通して一番活気のある時期なのですが、ここ数年は機屋のプロパー商品の製作も少なくなり所謂「新作展示会」の意味合いが問われているように思われます。このような傾向は和装業界の販売方法や、消費者の購入動向の変化が大きく影響していると思います。

近年の呉服展示会の方法は小売業者が個々の個性をもって販売するスタイルが非常に少なくなくなりました。問屋、メーカーが小売り業者までお手伝いに行き販売することが当たり前となってきています。「何とかの世界」「こだわりの作家、工房」などのキャッチフレーズで顧客を集め、ある意味小売の個性のない商品を販売する傾向が多くなってきました。 このような販売形態が多くなれば当然プロパー商品を製作する意味がなくなります。 問屋やメーカーが前に出れば必然的に小売屋の個性がなくなるという事です。

ではなぜにこのような傾向の販売方法が広がったのでしょうか。 第一にはフォーマル呉服需要の減退が挙げられます。生活様式の変化により購入しなければならないと思っていたいわゆる「道具もの」と言われる留袖、色留、訪問着といった式服を消費者が購入しなくなりました。このような式服は初心者もしくはそれに近い消費者が百貨店や地域に根差した小売り屋を信じてある意味お任せで購入していることが多かったと思います。したがって売り手主導での販売が可能であり、また式服としての範囲内での好みである為、売り手側も仕入れの段階においてリスクが張りやすく、買取商売も比較的多かったのだと思います。

このようなフォーマル呉服の需要が極端に減少し、消費者自身が個性をもって購入する事の多いカジュアル呉服の販売が主体となってきた現在の呉服業界においては従来のフォーマル主体の小売業は非常に難しくなります。 加えて昨今の情報化時代においては地域性や店舗の個性も減少します。したがって上記のように小売り段階でのリスクが張りにくくなり、現在のような販売形態が常態化したように思われます。

しかしながらこのような問屋、メーカーが主体となる販売形態は常に新しい商材が必要であり、それが不可能であれば継続しての販売が非常に難しいものです。 呉服業界は本来ニッチな商材をニッチな顧客に販売するものです。決して必需品ではなく嗜好品を顧客の満足度を高めながら販売するものなのです。ニッチな市場だからこそ大企業が参入せず、中小零細企業が存在出来得る市場なのです。 情報化社会における消費者が知り得る商品情報は一般的な呉服業界の想像をはるかに超えるものがあります。リスクを張らない商売は消費者に見限られるように思います。 このような環境の中においてもリスクを張った個性のある商品構成で前向きな商売をされている小売り屋さんもまだまだあります。 今こそ小売業界の力が試される時代ではないでしょうか。