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《 年 別 》














《 既存アパレル業界の不況 》
[Vol.122/2017年09月]

先日、「アパレル業界はどうやら{死にかかっている}かも知れない」という雑誌記事を読みました。内容はバブル崩壊以降の消費者心理、環境の変化に既存のアパレル業界が対応出来ていないというものでした。
常々、和装業界が時代の変化に対応していないと言っておりましたが、業界は違えども社会変化に業界システムが対応していないという事に於いては同じ現象だと納得しました。

第一に「百貨店で販売しているような洋服が消費者の個性を具現化するものではなくなった。」ということです。高度情報化社会においては自らの個性を自己主張するアイテムとしてSNS等が発達したことにより、百貨店で販売している高価な服を着て自己主張するという行動規範がなくなり、等身大のモデルが着ている安価でトレンディな服を着て自己主張できるようになった事です。

第二に服飾に多額のお金を使わなくなった事です。その理由は社会の価値観が変化し、他の自己主張できるアイテムにお金を使うとともに同じ支出をするなら旅行や習い事などのソフト面に代わってきました。洋服も安くておしゃれなものであれば良く、機能性が高ければさらに良いという価値観や、メルカリ等ネットでのフリーマーケッツト商品でも構わないという価値観です。

第三に以上のような環境変化に既存の業界が間違った認識を持った事です。 バブル崩壊以降のものが売れない状況に台頭したファストファッションに対抗して、大量生産によるコスト削減を図ったため製品の品質低下を招きました。それに伴い縮小している国内市場に需要以上の商品が供給されました。また、社会変化に本質的に対応した「ユニクロ」に代表される「製造小売り」の体制を製造、流通、小売りという旧来の体制のまま取り入れたことで、逆に技術やデザインの流失を招き結果として競争力を失ったことです。 以上のような環境に置いてアパレル業界全体として、91年以降13年間で15.3兆円から10.5兆円まで縮小し、15年度に於いても既存大手4社の売り上げは1割以上低下しているとのことです。

ではすべてのアパレルが駄目かというとそんなことはないようです。 日本での海外高級ブランドの一部では好調に売り上げを伸ばしていますし、新規の製造小売り形態を確立したメーカーはSNSを駆使して消費者にアピールし且つ品質を向上させることで売り上げを維持または伸ばしています。つまり究極に二極化が進んでいるので既存の百貨店などで購入していた中間層がいなくなったという事です。

和装業界も全く同じようなジレンマに陥っています。社会規範の変化によりフォーマル商品が売れない。それに対応しようとして既存商品を価格訴求した結果、品質の低下と需要以上の供給を招き、商品価値の信用を失うと共に一段と着物離れに拍車が掛かりました。 しかしながら和装業界とアパレル業界には大きな相違があります。先ほどアパレル業界が二極かしていると言いましたが、その市場規模と対象となる消費者の層が異なる事です。元々、非日常であり相当な富裕層が対象の和装業界に於いてはその限られた市場に見合った適正規模の生産、販売、またその商品に見合った品質と価格、つまり適正な価値のある商品であれば少ないながらの需要は維持できると思うのです。勿論、そのためには製造、流通、小売りの各分野を含めた業界全体としてのリストラが不可欠であると思います。